家族の意見が対立!!それはそれでいいもんだ
●
本当の目的
依頼を受けたのは、20代にしてマイホームを手に入れた若いご夫婦からでした。要望は「車と自転車が止められればいい、とにかく安く」という簡単なもの。そして、ヒアリングしていくうち、その簡単なはずの依頼に、実は問題になる部分が潜んでいるのがわかってきました。
今回、ご主人から見積依頼していただき、話し合い当日はご夫婦(赤ちゃんが後ろで寝んね)と私たちとで行われました。外構スペースは間口4.5m・奥行き玄関部分D3.5m車庫部D5.2mくらいの決して広くはない空間でした。
要望を聞いていると、ご主人は上記内容のとおりです。そして奥様はガーデニング・シンボルツリー・そしてウッドデッキを実現したいとのこと。空間的に限界があるし、奥様が空間認知されていないという現状が問題となりました、ご主人は空間認知されているので、奥様に対して「無理だ」の一点張り。そこで理解を示そうとしないご主人に奥様の怒りが爆発。ヒアリング中に私たちの前で言い合いになってしまいました。これではヒアリングどころではありません。
私たちはご夫婦が落ち着くのをみて、「要望はよくわかりました。一度ゾーンニングも含めプランニングしてきます」と引き上げることにしました。
そして後日、私たちが提案したのは、ご夫婦の意見とは全く違う防犯性のあるシンプルなプランでした。そこで今回のプランの趣旨を説明。率直に現場を見た感想から述べ、そのアドバイスに賛同いただいて、目的が決まりました。その目的とは、すなわち“安全”でした。
両隣との外壁の間が1.2Mぐらい、裏もそれぐらい。そこに境界ブロックが高さ60cmの環境で道路の前には起伏のある自然風の公園があります。現場は新興住宅街で、夜になると外灯の灯りでは頼りない状況であり、また奥様から銀行が近くに無いのでちょっと不便ということも聞いていました。犯罪者の観点から見れば、これはいわばおいしい現場状況です。理由は簡単に説明できます。